新しい映画館

13010200

正月のテレビがつまらないのでWOWOWに入った筈なのに、邦画とトムクルーズ祭り。
かつウルトラマンセブンハイビジョンリマスター一挙放送、24一挙放送…むーーん。
何となく当てが外れた。ついでにTTCGのクソ仕様の会員システム(プッ)のせいで
映画の予定の組み直しも。いま会員じゃないからさぁ…。

シネマカリテは年末に出来た武蔵野館系列のミニシアターで、ホントに小さい箱だし
箱の形が変。でも傾斜がちゃんとしてて前の方でも見やすいし椅子がいい。自販機も
普通の値段。武蔵野館同様に水槽もあって紅白エビがいた。カワユス。
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入口すぐの所にキリンシテーがあるのが危険。

予告:1月見る映画
 96時間/リベンジ
 LOOPER/ルーパー
 アルバート氏の人生
 テッド
 塀の中のジュリアス・シーザー
 人生、ブラボー!
 コックファイター


サイド・バイ・サイドフィルムからデジタルシネマへ@シネマカリテ
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デジタルで映画が撮られるようになってまだ十数年なのか…。フィルムが完成された
技術で、かつ保存するのに現時点で最適なかたちなのに対して、画質、フォーマット、
保存方法でも発展途上なデジタルの違いを素人にもわかるように説明している。まぁ
ITの世界でもテープでバックアップとってる所はまだあるもんな(違う?)。

ダニーボイルがデジタルイエーーイ!なのに対して、クリストファーノーランが頑に
フィルムにこだわっているのが対照的。ルーカスは断然デジタル派で、でも大半は
両方のいい所も悪い所も認めてる。他にスコセッシ、ロフドリゲス、フィンチャー、
リンチ、トリアー、シューマカー、キャメロン、ソダーバーグ、ウォシャウスキー。

デジタルになって、低予算で映画が作れるようになったのは喜ばしいし、若い才能が
発掘されることもあるけど、それが良かったかどうかは疑問で、やっぱり映画という
ものは「選ばれた人」によって作られて欲しいと思うし、ワタシは「いい作品」を
これからも「映画館で」見たいと思う。何で撮るかは製作サイドと一部のオタクの
自己満足でよくて、観客に押し付ける物ではない。

キアヌがインタビュアーで、的外れなことを聞かないからみんな正直に話してる印象。
ただ、構成…編集がひどい。最初に出た時に属性と名前が出るけど、ぶつ切りなので
よほどの有名どころじゃない限り、さっき出て来たけどこの人誰だっけ?状態になる。

映画ファンの中でも更にコアな、画質にこだわる人は楽しく見られるのかもなぁ…。
ワタシは中身がちゃんとしてて、画質音質が普通ならうるさく言う方じゃないので
結構キツかった。

フランケンウィニー@スカラ座
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亘のことがあるのでペットセメタリー系はちょっと辛い。けどね、大人(親、科学の
先生)が言うことは決して間違ってない…って気づくのはきっと大人になってから。
デズニーなので、最後は子供のすることに理解を示す大人達って感じで締めてるけど、
本当は最初にヴィクターに言ってきかせたように「死んでしまった物は生き返らない」
を貫かなくてはいけない。

電気ショックに寄る蘇生はスパーキーに対する愛ゆえの行動だけど、死んだら生き
返るのが当たり前になると思って行動するのは違う。ペットと死に別れる辛さを
何度も経験させるのも違う。そう言う意味では火葬の日本ってこういう話が出来る
土壌じゃないんだなぁと改めて…ゾンビが出ない点で火葬はもっと評価されていい
と思うよ!

今回もねこが悪者。コウモリと合成されて(ザ・フライかよ)、ラスボス?として
スパーキーに立ちはだかるとか…あぁぁ。ウィスカス可愛いのに。

ティムバートンのオタク心があちこちに現れてて、主人公にもバートン自身が投影
されているようで、それはそれで楽しいけど、目の下にクマを作ったような人物は
いただけない。スパーキーは可愛い。

しかし、あのでかいスカラ座に20人いなかったと思うんだけど、大丈夫なのか?

レ・ミゼラブル@日劇
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また日劇で満席。もうヤダー。隣のオバハンは靴脱いでて足臭いし、ビニール袋を
カサカサ言わせるし、やっぱり途中で携帯を見る。あのぅ…こういう時は携帯取り
上げて遠くに投げてもいいことにしてくれないスか?

原作は「ジャンバルジャンはパンを盗んだ罪で長いこと投獄されていた」としか
知らなくて、その後はなぜかクリスマスキャロルになっていて(笑)「ムショを出た
ジャンバルジャンに3人の幽霊が…」って何それ。ということで予備知識ほぼ0で
見て来たけど、ちゃんと話わかったよ、これからはスクルージと間違わない。

でもファンテーヌがあんなに早く退場するとは思わなかったし、市民を路頭に迷わす
なら他人に無実の罪を着せて自分が地獄に落ちる方を選ぶし、ジャベールがジャン
バルジャンをそこまでしつこく追う理由が弱いし、死ぬ理由が謎過ぎるし、他にも。
まぁ、時代が時代なので理不尽且つ、日本人には理解できない風習や感情があるん
だろうな…と思うしかない。原作の細かい所は端折ってるんだろうし。

ヒュージャックマンはミュージカルにも出てるので心配してない。それよりも、
ラッセルクロウがウマいのにびっくりした。 や、ウマいと言うのはちょっと違う。
ミュージカルっぽい声のだし方ではないんだけど、聴かせ所をわかってて、声も
いい。ワタシは隠れラッセルファン(笑)なので、ひいき目もあるが。

エポニーヌのサマンサバークスが素晴らしかった。かつて自分(両親)が馬鹿に
していた貧乏人の娘のコゼットが裕福な暮らしと美貌とマリウスの心まで手に
入れていることへの嫉妬、叶わない恋と知りながらもマリウスを思い続ける
苦しみがダイレクトに伝わってくる。「可哀相な私」をダダ漏れにしている
ファンテーヌよりよほど共感できる。

マリウスのエディくんはマリリン7日間の恋にも出てたね…かわいい。育ちの
良さが隠せない感じが何とも好み。学生達がもれなく…子供に至るまでイケメン
…そんなことある筈ないのだけど(笑)。

カメラワーク?構図がワンパターンなのがすごく気になった。アップと引きの
繰り返し。トムフーパーが作ると一般受けはするんだろうけど、映画ファンと
しては彼の作る画はつまらない。

シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~@シネマカリテ
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俺たちのジャンレノ…もうね、恰幅良過ぎてシリアスな役は厳しいっす。ということで
コメディで料理人の役はぴったりかと。

クラシックなフランス料理にこだわって新しい料理を作り出せないことに苦悩する
ラガルド、ラガルドのレシピを丸暗記しているけど、ビストロでは腕をふるえず、
人とウマくやって行けないジャッキーと対照的な2人のやり取りは完全なるボケと
突っ込み。やり過ぎで時々滑る感はあるけどウマくかみ合ってると思う。その傍らで
色々な愛の形、世代交代の形が提示される。上手くいくこともあれば失敗することも
あるけど、失敗は取り戻せる。

しかし、フランス人に取って日本は未だに「サムライ、ゲイシャ」のイメージなんだな。
あの仮装に日本人は笑えないし…や、周りでは笑ってたけど。分子料理のくだりは蛇足
かなぁ…。

アナウンスされて、予告の途中でも言われて、それでも携帯の電源切らない奴って何?
隣(空席)の隣の女が10分置きくらいに携帯見てて、連れの男も何も言わないし(バカの
連れはバカだから)一応コートで隠してるから自分以外にはわからないと思っているのか、
酷いので携帯を叩いたら「すみません」ってなにそれ…。自分だけは人に迷惑かけてない
と信じてるのか?その後もブルブル言わせてるし…。たった2時間も携帯切れないくらい
多忙(笑)なら映画なんて見に来るな。つまらんのなら途中で出てってもいいし、むしろ
出てけ。

愛について、ある土曜日の面会室@シネスイッチ
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超寝た。睡眠時間はファンタスティックMr.FOXを超えた(これもシネスイッチだった)。

飛び飛びに見てるからか、登場人物の誰にも共感できないし、ラストのカタルシスも
なく、オチもなく唐突に終るので見てる方は( ゚д゚)。母親のすねかじりをして、
ブスでヒステリックな女と付き合ってる男には違うベクトルで少し共感できるが。

しかし、フランスのムショってのは面会室でそっくりの男と入れ替わりが出来るほど
ユルいのか?警察国家と言われるフランスではあるけど、それはタイーホするまでの
ことなのか?後日:映画のための演出でしょ、アメリカや日本の映画やドラマでも
同じでしょとやんわり否定された。

ここ、ジジババが多いからって暖房強すぎるんだよ。今日は上映直前に入って来た婆に
髪引っ張られた。もう意味が分からない。

マリー・アントワネットに別れをつげて@シャンテ
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予告で全てネタバレしてたね。でもって映画の中では誰もギロチンにかかってないし
ポリニャック夫人はオーストリアに逃げて、王政復古後フランスに戻ったはず、はず。
ま、逃げた後にすべてを知るシドニーが消された可能性は大いにあるし、その辺は
シドニーのモノローグから推測するしかないけど。

民衆でもなく、貴族王族でもない、ただの朗読係の目から見た革命直前のヴェルサイユ
内部のグダグダは新しい解釈で面白いと思うんですがね。レアたん可愛いのと、衣装が
素敵なので眼福。

大ッ嫌いなソフィアコッポラのクソ映画(キルスティンは好き)より100倍いいよ。
ワタシこの人↑の悪口ならゴッドファーザーIIIにさかのぼって何時間でも語れる。
そのくらい嫌い(笑)。

砂漠でサーモン・フィッシング@丸ピカ
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変なことに巻き込まれるユアン健在。ユアンの妻役の人がえらいオバハンだなぁと思って
見てたけど、ユアンも結構中年なんだ…。ビギナーズのユアンの方がキュートだった。

最初のうちはイエメンで鮭とか無茶だろーって言いながらも話がどんどん進んでいって
色んな人が動いてるのだけど、舞台をイエメンに移してからは色んなことがあっさりと
進み過ぎてる気がする。

ダムと川は整備されてるし、鮭は結局養殖物を調達できて空輸されてくるし、ダムが
あっさりと悪者に乗っ取られてあっという間に決壊→でもユアンがんばる!ユアンの
クソ真面目なキャラ作りが埋もれてしまっててザンネン。その真面目キャラがすれ違い
の多い妻との結婚生活に疲れて、エミリーぶらんとを好きになって、とうとう妻と
別れちゃうのもあっさりと。エミリーも軍人の彼氏とあっさり別れちゃうし。みんな
あっさりさっくり。根底にあるのは養殖でも鮭は鮭で本能で川を上るさー、だから
人間も本能に…何か違うぞ…。

シャイフは超大金持ちで、地元の人に慕われてて、自分の趣味と見せかけておきながら
地域のことを考えててダムとか作ったりしてるのに、反乱分子がいるとか何。イヤ、
金持ちでイケメンで妻が何人もいたらそりゃ妬まれるさ。アムールワケドは「中東の
ジョージクルーニー」と言われているらしい…。どうよ?
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コメディ担当の広報官と大臣、お役所のユアンの上司達がいい味だしてた。

もうひとりのシェイクスピア@シャンテ
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これ、メタメタ面白かった。邦題のミスリードぶりがムカつくくらい。

シェイクスピア別人説で実は貴族、という前提の元で話が進んで、シェイクスピア
なんかどうでも良くなってくる(笑)。ホントは字も書けない役者で、間違っても
恋に落ちたりしねーよ、みたいなロクデモナイ男なのさ。

エリザベス1世とその私生児達、オックスフォード伯、宰相セシルらによる王位継承を
巡る陰謀と愛憎がグルグルドロドロ渦巻く、権力争いがメイン。親が子を処刑するわ、
近親相姦はあるわ、ホントの所はどうだったかなんて闇の中だけどこういう解釈も
ありということで、興味深く、下衆な好奇心を満たしてくれる。

エメリッヒなのでどうなんだろうと心配したけど、緻密に練られた脚本と演出に
やれば出来るじゃん、と。ただ、冒頭とラストの劇場でのストーリーテリングは
必要?