海月を巡る冒険再び(2)夢二との再会と旅の相棒

山居倉庫でバスを降りる。明治時代に建てられたお米を保管するための倉庫で、おしんの撮影
にもつかわれたそう。屋根が二重になっていて風通しを良くする工夫がされている。三角屋根
なのは雪が降るからだろうね。つい数ヶ月前まで普通にお米の倉庫として使われていたらしい。
ケヤキ並木からの景色が有名だけど、こちらは裏(?)側。このケヤキも風除け日除けのために
植わっている。

ケヤキ並木の真ん中くらいにお稲荷さん。倉庫の神様を祀っているそう。お社の中に下げて
ある飾り?としめ縄の形が見たことのないものだった。

倉庫群に向かって左は夢の倶楽というお土産やさん兼レストラン兼展示施設になっていて、
逆側は庄内米歴史資料館になっていて庄内のお米の歴史が学べる。お米大好きマンなので
入ってみる。

日本海側の港町は北前船とは切っても切れない関係で、船によって栄えた商家や都会から
伝わった華やかな文化が垣間見える。この後行く山王くらぶ、本間美術館にその繁栄ぶり
が見て取れて、当時のまま残っている。

一方でおしんほどではないにしても庶民の生活はそれなりに大変だったんだろうと言うのも
想像に難くない。

Let’s Tryじゃないだろよ

お米くんシアター。平常心で見られる気がしない。

夢の倶楽・華の館(企画展示施設)では紅花で染めた布製品や組木細工、木工製品などが展示
販売されていたり、おしんコーナー、本間家江戸時代に京都の職人に作らせた山王祭(今は
酒田まつり)の山車(亀笠鉾)も展示されている。

歩いて次の目的地、山王くらぶへ。街のあちこちに獅子頭が飾ってある。これは市役所前。

山王くらぶは明治時代に料亭だった建物。普通に住宅地の中にある。2階に傘福展示(10月
までは大広間いっぱいに展示されていたけど今は2つのみ)。

傘福は日本三大吊り飾り(福岡柳川、伊豆稲取、酒田)の一つで、子供が無事成長することを
祈って様々な意味や願いを込めた飾りを繋げて吊り下げた物を奉納したのが始まりだそう。

※画像クリックで拡大

小さな部屋(創作の間)にも小さな傘福がたくさん。こちらは地元の女性が作ったものかな?
2人のおばさまがチクチクと傘福を作ったり、地元の話題が出るテレビの話をしたりしてた。

予約すると傘福製作体験ができるのでやってみたかったのだけど、時間が読めなかったので
この後1階の売店で自分で作れるキットを買って帰った。完成品は後ほど。

他に辻村寿三郎作のお雛様も展示。

そして酒田は土人形も有名。

1階は竹久夢二が愛用したと言う茶室があって、岡山からここまできてたのか!という
気持ちになる。以前行ったところ見たもの聞いたことが思わぬ形で繋がるのは楽しい。

料亭として使っていた部屋などの建具…意匠がすごく細かい仕事でため息が出る。

タコもあるのかー。風が強いからよく飛んだだろうね。

一通り見終わってから、受付の方に色々と補足的な説明してもらった。夢二が茶室の
雪見窓から芸者さんの控室で女の子がわちゃわちゃする様子を見ていたとか、中庭に
植わっている木の話とか、三味線を引っ掛けるフックの話とか。こんな世の中になる
前は観光客が芸者さんの着物を羽織って写真を撮ってた話も。次来るときはたくさん
傘福が展示されてる春〜秋に。

徒歩で来ているのを知って観光自転車を進めてくれた。市内にいくつかある指定の場所
ならどこでも返却可能と言うことだったのでありがたく借りることに。頼もしい相棒を
得て、海側でお魚を食べられる場所も聞いたので、予定になかった海側へ!

202211山形